私が初めてその老人を見たのは3年半前の冬の事でした。
ベンチに座り、その周りには多くの袋物を防御壁の様に置いて、冬も夏も鎮座していたのです。
それが今日はいない、いないのです。でもそのベンチには本人の持ち物がロープでくくられ、
なぜか空のコカコーラ2L空ボトルも10数本ロープでくくられていました。
自転車で通り過ぎようとしたのですが、「あれなんだか変だな」と思ひ、自転車を止めて、ベンチに歩みよると
くくられた紐に、ダンボールの端切れに、赤のマジックでこのように書き留めて有りました。
各位 携帯の充電とパソコンの着信チェックの為帰宅します。荷物は移動しない様に^^^^^と書かれていて、
ようやく合点が出来たのですが。
普通路上生活者は汚れた体、衣服、靴と云うのが風体なのですが、この老人は高そうな洋服を着て、よい靴を履き
とは言いながらそれなりに、路上生活者レベルでは上の中という感じの人でした。
見かけるたびに不思議だなと思っていましたので、そうか自宅あるのか、お風呂にも入っているのか、パソコンでメール
のやり取りをして人と繋がっている事が解って、何かほっとして、思わず笑って、帰宅をしました。
しかし今度はどんな事情で路上生活をしているのかと疑問が出ましたが、
そのうちにまた 、「そうか」 と言って合点出来る時が来るのでしょう