【コバヤシの歩み】と題した冊子は、幹部からの「常日頃の私の言葉を纏めて作って下さい」とのリクエストがあり、それを会議で話題にしたところ、「早く作って下さい、楽しみに待っています」の声が掛かり、重い腰が上がることになった事情もあった。
それでは【コバヤシの歩み】を読んだ感想文を寄せてくださいと、社員全員にお願いをした。
これがひと悶着あり、強制ではなく、自主的で良いのではとの声も出たりした。
しかし同じものを見て、人の着眼点はどこにあるのか、何に感動し、何を自分の生き方の参考に出来るのか、たくさんの心を私は知りたい、社員教育になると確信しての発信でした。
20日に依頼して、1か月後が提出期限だった。
夏休み前に1通感動の文面が届いた。偶然が織りなす人とお金の大河ドラマを読んでいるようでしたと、内容の詳細をきちんと読み咀嚼しての文面で、最後は30歳で死んだ社員の奏でるギターのメロディーが聞こえるようでしたと結ばれた文章で、私は涙でパソコンの画面が見えなくなった。同じ思いを共感してくれる人が居ることが何より嬉しいご褒美だった。夏休み明け次から次へと、感動的な感想文が届いた。その思いにこたえる為に、即返信をした。60通の返信はとてもエネルギーがかかったが感動的なことだった。