12月8日 新宿区立神楽坂劇場にて行われ私は新内仲三郎冨士元派家元の弟子で出演しました。
これは新内の各流派が研鑽を積むために、年2回開催されている研修会です。
先輩から順に出演し、今回は自分にまわってきました。身内の発表会は年2回あり7年にわたり計14回出演して
いるので少しは馴れてきましたが、今回ばかりは他の流派の師匠とお弟子さんの前で謡うのは大変な重圧でした。
演目は蘭蝶深川竹で15分ほどの内容で、2年前仕上げた曲ではありましたが、再度3か月前からお稽古したのに
どうしても節回しテンポ、セリフの感情表現が上手くできず、 「本を読んでいるようでは駄目です、なり切らなければ」 と又
「何回も教えました、まったく覚えていないのですね。」 と厳しく指摘を受けて悲しくて泣きたい気持ちも2度3度、
特訓で熱いご指導を頂き3日前に何とかかたちに成るとまでこぎ付けることができました。
演奏会当日は出演直前に声出しを見て頂き 、「大丈夫でしょう」 師匠の笑顔を受け少し安心して、いざ本番となりました
15分の演奏時間はあっと言う間で夢心地の内に終了となりました。
拍子木がなり幕が下りた瞬間、師匠のお顔を仰ぐと 「良かったですよ」 と優しい笑顔で声を掛けて下さいました。
お稽古の時に何回教えても呑み込みの悪い私に呆れ果てながらも、熱血指導のお蔭で無事勤める事が出来ました。
他の流派の方々の手前不出来だと、「師匠に迷惑がかかると申し訳ない」の一心で早朝から一人で稽古もしました。
直前までお稽古が進まなかったのは理由があって、太極拳の資格審査の朝練に1か月、鹿児島3泊4日の旅などで
稽古時間が好かなかった事情も有っての事でした。
盛り沢山の計画が入り過ぎたなとも思うのですが、行事日程いの変更の事情もあり重なる時は仕方がないと観念し、
息の詰まる思いでしたが、今年最後の重大行事を終えて肩の荷が降り、ようやく安堵する事が出来ました。
苦しかった分だけよろこびはひとしおでした、時々思い出しては余韻を楽しんでいます。