テレビをあまり好まなかった父が、なぜか日曜日の 「 NHKのご自慢 」 だけは、嬉しそうな顔をして
見ていたの思い出す。父が亡くなってから14年経過した今、ようやくそのわけが理解できるようになった。
12時15分におなじみのテーマミュージックに合わせ、20組の出場者がうれしそうな顔で行進して着席。
歳は15から10?歳まで、職業は学生から、士農工商の現役、リタイヤしたご老人、家庭の主婦まで、
バラエティにとんだ人方、それぞれの思いのたけを相手に届けるメッセージを胸に,精一杯の熱唱、
上手な人も、上手でない人も、身振り手振りの大爆笑を誘います。
高齢でも声のはり、声量、音階も正しく歌うお年寄りは、カラオケ通いが何よりの楽しみ、生きがいと言う。
苦労の人生を生き抜いて、年輪を刻んだ神様に近いようなその笑顔がとてもかわいい。
たくさんのエピソードの一端を、数秒で引出す司会者の巧みな誘導。
先月97歳のおバーさんがうたう白虎隊には涙が流れ、その童心の笑顔によき人生の歩みが見えるようでした。
最近はテレビを見ながら、屈託なく笑ったり、泣いたり、しているの自分に驚いています。
日曜日の昼間、ゆっくりテレビを見る時間ができたこと、少し心にゆとりができたことで、理解ができたNHKのど自慢
の面白さ、父親が好きだった訳がようやく解る年頃になりました。
父は一つ覚えの 「山茶花の宿」 が持ち歌でした、一度聞いた覚えがありますが、本当に下手で恥ずかしい思い
をしました。亡くなって14年、いまだに 「コバヤシの会長が良く歌っていましたね」 と聞くと人の思いでに残る歌は
それで好いのだと思えるようになりました。
私も80歳になったらのど自慢に出場できるよう、採用してくれそうなエピソードと、上手に歌えるように練習して、
10年あれば実現できる夢かなどと思えるぐらい、親近感の持てる番組でした。