事業承継の最終段階で、銀行はじめ管理関係の仕事を移譲したら、何と沢山の事が見事になくなった。
見るべき書類、アポイント、面談、承認捺印、郵便物、電話も驚くほど見事になくなった。
40年以上前になるが、父親がぽろっと言った言葉を思い出す。
「社長を辞めたら、郵便物が来なくなり、寂しいもんだな~」
あの時の父親と同じ状況に私が今いるのです。
父親は商いが好きという程ではなかったし、病気がちだったので仕事を譲る事に対して抵抗はなかった
と云うより、楽になって喜んでいたようにも私は感じていた。
商売を離れても業績は気になった様で、社員から自宅にコンピューターで出力された請求一覧表を持って
来てもらい毎月見るのを楽しみにしていた。「皆よく頑張っくれている、家は良い」これが口癖でした。
ご苦労様と金一封を社員に渡し、「お菓子で買って皆さんで食べてね、また来月お願いします」と歓んでいた。
また孫が3人とも会社に入社していたので親子三代5人が一緒に家業に従事しているのもとても喜んでもいた。
40年前からすると商売も一変して、淘汰再編成で同業者も半分以下になってしまった。
生き残るには事業承継が順次行われることと、一定レベルの素質があり、地道に正しい事を追及継続し
次の代にバトンを渡す事が出来れば、100年企業として生き残りその基盤は頑強なものになる
あと25年で当社も100年企業に入れるが、私は年齢的にそれを見届ける100歳超えは無理なのですが、
全体像をみていれば感じ取れるので、冥途の土産話が出来るでしょう。
引き継もすみ、沢山のことが無くなり、一抹の寂しさもありますが、3代目がきちんと継承すると思うので
安心してこれからの余生を過ごしてまいります。
余生が残り少ないか多いかはわかりませんが、今迄出来なかった分取り戻したいと欲張っている今日この頃です。