内装材料価格改定が9月21日からの行われると発表されている。
業界の流通段階の各層と市場全体への告知が行われ、
個別の状況において設定が行われている様子が感じられる。
何の商売にも価格条件を定める事が必要で、
神代の昔から現在もこれからの未来にも原理原則により、
条件と価格決定が行われているのがセオリーである。
私は60年間、商人として商いをしてきましたが、なんだか
胸に重りを抱えてきた感があります。
その内容は季節による仕事量の減少、同業者の攻勢や景気変動で
価格の折衝があり、それの条件交渉、競合相手との戦略、面子等々
過酷な駆け引きが常日頃から行われ、心の休まる時がない状況を
過ごした経験での出来事でした。
厳しい状況下「値段も条件も安心して心穏やかに取引が出来ない
ものなのか」と愚痴をこぼした私に、社員から返ってきた言葉は
「そんな気でいるなら仕事辞めたら」と一喝されました。40年前の
私が40歳の頃の出来事でした。
30歳前の若い社員が、厳しい市場の競争を戦い抜く心意気を持つ
事に圧倒されました。
大変優秀な頭脳をもち、コンピューター導入、施工請負の開始、
業界でインテリアコーデネーター資格試験1期生に合格にもして、大いに将来
を期待した人材でしたが、30歳の若さで惜しまれながら癌で亡く
なりました。
今迄心の隅の出来事が、価格改定で社内の喧騒で思い出しました。
また先日事務所で営業社員に「価格改定で仕事が忙しそうだわね」
と私が声を掛けたら、返ってきた言葉が「なんか人事みたいな言
い方ですね、会長の会社の事なのに」と言われハッとした。
「そんな風に感じたんだ、鋭い指摘だわね」私の少し気楽な部分
の気持ちをキャッチしたしたのだ。
私はすでに会長職の立場に居るので、仕入れ販売にはタッチは
していない。社員と表面的な言葉を交わした事に対する反応に、
40年前の社員と同じ様に人の発する言葉の深層心理を見ぬく
社員の感性に脱帽した。
実は本人にはそれほど深い意味は無く、ほんのジョークの発言
かもしれないが私の心はしっかりと受け取った。
そこでじっと考える事となり
私の本質は、商業という厳しい営みには不向きな性格で、それを
胸に秘めて社長と云う立場を過ごしてきたのではないか。
女性で高卒で20歳の若さで親の決めた結婚をし、子供を育て
ながら家業を継ぐことを宿命と受け止め20年過ごしてきた。
40歳で、人生80年ならば残る40年の人生を自分の思うように
生きたい、それが自分も、周囲の皆も幸せになると、婚姻生活
を発展的に解消すべく決意し離婚をした。
これは初めて自分が自分で選択した道なので、私の運命との
覚悟をして再出発をした。
その後40年間、子育てと仕事に無我夢中で走り、現在に至っ
ています。
自分の選択した道なので、借金と責任を背負って生きてこれた。
そんな事情が有るので、泣き言も恨つらみも無く、だだ一心不乱、
何も無いところから、会社を守る色々な手法を考え実務を遂行し
てきた。
その結果今は会長職とし一歩引いた立場で、心が軽くなっている
部分は間違いなくある。考えれば、私にとって苦手な酷な部分で、
よく世間で表現される、取引条件交渉のキッタハッタの場面は
免除されていると云うか、もう無理な内容の仕事です。
然し経営全般という重要な職責を負って会社運営を従来通り
行いながら並行して事業承継を行っています。
新旧の役割比率は今は1:9位ですが、順次スムーズな事業承継で
比率が変ります。
コバヤシの理念と経営方針に新しい感性と時代変化に対応した
政策を取り入れながら新役員体制で会社運営は遂行しています。
沢山の経験を踏んでの私の安全な知見と、
新しい発想で会社を牽引する新幹部陣の、両輪で会社を運営して
行きます。
私は心身とも健康に留意して会社に役立つ様な自分の好きな分野
仕事をして参ります。
心配しないでください、自社の仕事として全体を見ていますので大丈夫
ですよ。今日幹部から社員に向けての発言は会長のあうんに書いたら
どうですかとの一言を聞き、急遽掲載しました。
私は割と人のいう事を感じ取り、良いと思う事は直ぐ取り入れる人です。
良くないと思うと怒りをあらわにします。
年甲斐もないので改めようとしていますが80年近く娑婆を生き抜いて
きている性格ですので、周囲が我慢してもらう方が早いかな??とも
思うのですが、双方の言葉使いが下手で、目指す方向性は一致してる
のに、表現が下手で論争にもならない、低い次元の態度は直さないと
運営に遅滞がとストレスが生じる。
解って改めないと企業人ではないと思う。