日本では2020年9月に菅内閣が発足して5か月が経過、2021年1月にはアメリカ合衆国第46代大統領にバイデン氏が就任した。世界経済の回復は想定より底堅く一部には回復基調も見受けられる。海外では急ピッチで開発されたワクチンの接種がようやく開始されたものの集団免疫状態が得られるのは2022年を跨ぐのではないかとの予測が示されました。もう暫くのあいだ我慢と頑張りが続くようです。
・世界景気
需要と供給が大きく落ち込み、コロナ対策で巨額な支出が財政を圧迫している。生き延びる為、各国とも放置はできないで対策に国費を注ぎ込んでいるが、その収支が釣り合う時が来るのか、金融政策、総需要政策、財政政策の役割分担で金融市場の安定を図るしか策はないと論評されています。
・日本の経済
20年度コロナ対策で3度の補正予算を組んだ結果、歳出は175兆円、税収55兆円その差額は国債発行112兆円で補い、結果長期債務残高は1,200兆円を突破すると見られている。この先その借金の返済を背負うのは国民と企業だ。東北大震災の歳出を補うために復興増税を10年払い続けている最中、今回のコロナ対策で費用負担はどこまで膨れ上がるのか皆目見当がつかない。それでもコロナ終息の安堵と引き換えにそれら負担が圧し掛かるのは必然の事と、受け止めてゆく覚悟が必要なのかも知れません。
・大手企業の業績
過去に例を見ない最悪の事態を予想していたが、想定よりも日本経済は底堅く新聞紙上では日に日に増収増益更新の報道を目にしているので多少の安心感が出てきた。コロナ禍の影響がプラスに働いた業種、業態では最高の業績を記録したと報道されている。すそ野の広い自動車産業や建設業界の一部も業績を回復し、通信大手のソフトバンク社は実に3兆円という過去最高の純利益となり日本の国家収入の5.5%にも及ぶ驚くべき企業収益を計上しました。
・中小零細企業状況
飲食・旅行・イベント分野とそれら関連先の打撃は緊急事態宣言の延長で更に困窮、一方、建設・リフォーム分野の落ち込みは前年比1~2割程度で踏ん張っているので多少はましなのかも知れないが見通しが明るい訳ではない。業界の構造的に大きく利益が出ることはない反面、落ち込みも少ない安定した業界に従事できるのは大変にありがたい事です。
・コロナ融資、近づく返済期限
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受ける企業向けの実質無利子・無担保融資の限度額が2月より4千万円から6千万円に引上げられ、かつ返済期限を3年間据置に変更すると発表されました。3年を待たず経営環境は改善すると思われますが、念のために借り換え手続も有効かと思います。