玄関のチャイムが鳴った。「町会の者ですが」との声で「直ぐに玄関に参ります」
と返事をして急いで1階に駆け降りた。
玄関を開けるとお祝袋を手にして当番の方が立っておられた。
「今日は敬老の日なのでお祝いを届けに来ましたが、何とも少ない金額で申し訳ありませんと」と恥ずかしそうに手渡してくださった。
75歳以上になると毎年町内会でお祝いを届けてくださる。
僅かな町会費から捻出するのは大変だと思うが、数少ない町会活動の一つのイベントなので有難く頂戴した。
毎年仏壇に供え私も敬老者の仲間入りをする年頃になったのよと、独り言を言いながらお線香をたいてお参りをした。
私が頂くのは違うと思うが、町内会の会合でお茶菓子でも買ってくださいとも言ってお渡しする金額でもないので、お礼を伝え頂く事とした。今年もまた仏壇に去年と一緒に収めた。
私の予定では寿命があと20年あるので、20回頂いたらそのまま町内会にお戻ししようと思う。
子供達にはプレゼントは不要と言ってあるので届かないが、孫娘から電話が入り「おばーちゃん敬老の日なのでお食事を一緒にしませんか」と何よりの嬉しいお誘いがあった。「喜んで伺います」と返事をして、ワインを手土産にと冷蔵庫に入れた。私は孫の「おばーちゃん」と呼ばれるのが何よりも心地良い癒し。