3ヶ月の自粛がどの程度緩和され、2次感染との兼ね合いはどうなのかと、恐る恐る外部との接触を開始した。
まずは接触の最小限である個人レッスンであるお稽古から開始した。
復活その1・新内
自主稽古も全くする気にならず、家での録音テープでの練習もせずいた。
5月中旬に師匠から「お稽古しませんか」とご連絡があり、「ハイ~」と飛んで行った。
流石に声が滑らかには出ないが、1時間のお稽古で何とか調子が復活してきた。
喉の筋肉を使わないでいると、退化すると聞かされ驚いた。恐怖と安心が入り混じる不思議な感じがした。
復活その2・お習字
1月に入門したが3月から稽古場は閉鎖で、お手本が郵送され、添削を朱書きして戻る書面での往復指導を3か月受けたが、毎日、書道だけは自習で1時間を目安に書くように継続していた。
お稽古場は閉鎖でも課題を提出するので審査は毎月行われ、8級から7級になり、教室が再開したので6月6日に添削をして頂くのに訪問した。月謝3か月分をお支払いして先生から6月号の会報に「小林さん写真付きで載ってますよ」と言って頂き本を見たところ7級ながら優秀作品という事で〔書きっぷりが良い〕とお褒めのお言葉があり、こんな嬉しいご褒美を頂いた。
下手でも日々の積み重ねで上達を目指せると心浮き浮き、子供のように嬉しさを、誰かに聞いてほしくて、あうんに載せることとなる。
復活その3・歌謡練習
ブルーコメッツのキーボード小田啓義先生からボイストレーニングを3年程受けている。
月2回のペースだが演歌は一向に上手に歌えない、先生が「どうしてこんな簡単なのが出来ないの」と呆れるというか、怒るというか、私自身も情けない。
6月6日、3か月振りにお稽古が再開された。先生と生徒の間にはビニールシートが張られ、入室時は先生が消毒のジェルを手に付けてくださる、「これで感染は大丈夫ですから、安心してお稽古してください」と満面の笑顔をされた。
小田先生にとって3か月間の辛抱は辛い事だったと思うので、生徒としては頑張って伺わねばと思うのだが、私は真から好きではないのが困ったもので、上手になれば楽しめるのだろうが、いかんせん下手であることが好きになれない原因であると理解した。
あ
この3か月間のすべての関係性を絶たれた状態は自分に取って、苦痛ではないということが解った。
時間が自分の自由に使える事が、何とも極上な3か月であった。
お稽古、食事、会合等の人と人との関係性が無い事も又有る事も、自分ではいずれも受け止められる事の発見があった。
順応性が有るという事なのか、ひとつの安心事となった。
しかし、今までの外部活動で使っていた時間が無くなった分、全てが仕事にシフトされたために、より仕事が出来る充実感の可否には、更に周囲から仕事のしすぎと賛否両論が出ている現状がある。