上場企業の3割は同族経営、創業100年を超える企業数は2万社、全企業200万社の中で
1%と云う統計が有ります。
長期繁栄の理由は独自の経営ノウハウや承継の進め方、長年培ってきた知恵と仕組みを
持っている事に加え、同族企業の結束の強さがあるが、逆に弱点として弊害が出た時は、
大塚家具の様な事態に陥る危険も有ります。
当社も襖の骨を製造する職人から両親が襖材料店を創業して、何とか70年が経過しました。
社長の私も家業に従事してから53年が経過しました。親の商売を子供の頃から肌身で感じて
育ちましたので、商いを身近に触れた期間は65年にわたっています。
お蔭様で現在3代目も仕事に従事しております。
創業以来のお客様で2~3代まで承継されたのはまれで、現在お取引がある方はわずか数件と
なりました。時代の変化で襖業の需要が無くなり、内装だけでもなく、住宅設備を含むリフォーム
需要を総合的に依頼したいと、市場の要望は強くなっている傾向です。
神奈川はまだ新築需要が活発ですが、東京ではリフォーム需要が主流になっています。
今後はリフォーム需要対応が神奈川でも活発になると予測されます。
次世代を育てる、これからの需要を見越した対応が必要な時代の足音が聞こえるようです。
当社では30%のお取引先様が5年以内の取引歴です。10年迄で60%を占めています。
取扱い商品もまだまだ壁紙が主流を占めていますが、襖関連商品は2%を切りました。
販売量は激減していますが、襖関連商品の在庫金額は全体の40%を占めています。
もうそれらの在庫を置く事は厳しいですが、調達してお届けする機能は存続させて参ります。
日本の住宅事情に襖の必要性は激減し、その少ない需要は大手に集約されています。
商品・流通・会社・人も時代の流れで変化し、新しい商品・流通・組織・人が台頭してきます。
そんな時代の流れに乗るも良し、逆手に取るも良しと考えは色々なのですが。
我々業界のメーカー・問屋の団体が危機感をもち、ようやく流れを変えようという活動を
始動させる準備が整いつつあります。(11月下旬にはメディアにも宣伝PRが登場して、
一般消費者向けに宣伝活動を展開致します。)
その内容は住生活環境における内装インテリアが与える、心身へやすらぎをもたらす重要性を
PRして壁紙の張替を喚起するものです。
白一色の量産品ではなく、インテリアで生活を楽しむ事に目を向けて頂く事業展開で、
業界の閉塞感を打破し、活路を見出す仕掛けが、どのように仕上がるか楽しみと不安が
五分五分です。