「暑さ寒さも彼岸まで」と我慢して、待てど暮らせども春は来ず、さくらの花も大方散っているのに、尚更に寒い日が続いております。昨年同様に今年の2~3月需要の施工要請にお応えする事が出来ずにお詫びをしたり、またタイミングよく手配でき感謝の言葉を頂いたり、悲喜こもごもでした。
年初からの情報で現場が多くなるとの予測と覚悟はして臨みました。しかし、昨年を上回る需要が重なり対応困難となりました。施工要請を予測しても、それに対応できる施工技術者の人数が毎年減少している状況では、いかに努力しても施工 可能数量が限られてしまいます。この事態を解消するには、需要の波を平坦化して、各事業所の年度末予算消化で3月に引渡しが集中しないよう調整するしか方法は無いように思います。なぜなら閑散期の仕事の無い状態では、施工者の方に年間通して、仕事量の確保を保証できないからです。
我々業者は、施工業務が忙しければ職人さんを探し、暇な時は仕事を探し確保してあげたいので年間を通して、仕事が多くても少なくても、忙しく対応をしております。
施工業者の人員増加は見込めない現状で、せめても減らさない努力が必要なのですが、高齢化で引退する人もあり、跡取りのいない人も大勢を占めています。若い人を採用して養成するには、労働諸条件の整備と、若い人の心理に寄り添いながら、仕事、礼節から教え、技術指導に及ぶその苦労を考えると、面倒で人は教えられない事も理解出来ます。しかし諦める事は業界の衰退につながります。若い人が歓んで弟子入りする魅力作りが課題です。
総合見本 特殊壁紙、布壁紙、店舗装飾用などの総合的に掲載している見本帳
最盛期は5社程発行されていましたが、現在はサンゲツ1社となりました。原因は、予算減少で採用できない、又品質の良さをPRできない、高い施工技術を要する。これらの要因で需要減少と、在庫負担、見本帳経費負担での不採算が理由です。
1000クラス 700点程度の掲載で一般の注文住宅の新築、リフォーム現場で良く使用
中級品に位置つけ、この商品群の使用料を増加させることが利益確保に有効
量産品 65点掲載で廉価品、集合住宅、賃貸物件需要向き
総合見本は1冊5千円、1000クラス1千円で、我々流通問屋は各メーカーから購入しています。採算上見本帳の製造数が減少し、我々の手に入る数量も限られています。それは量産壁紙が全体の80%(首都圏)を占めていて、1000クラス、総合見本掲載の商品が売れないことが原因です。したがって高額見本は一律に配布が出来ず不自由ですが、必要に応じてお貸出でお届けしています。量産見本は無償で、見本数量は豊富に支給されていますが、これが量産比率を上げる原因にもなっています。見本帳発行にもインテリア業界が激変している現象の一端です。我々インテリア流通業界では大きな変化が急激に起きています。その多くは人手不足に起因してます。時代の流れに沿い、仕事の仕組を変え、お客様と共に存続できるよう精進致します。