仏壇で、母のこえする きれいだね

日本の伝統的な衣裳である着物
芸事の発表会以外では40数年久しく着物を着ることはありませんでした。
それはあまりの繁忙の中で心と時間の余裕、使えるお金の余裕が無かった事によります。
人生を夢中で走り続けて来て気がつけば、なんと古希を迎える年になっていました。
そこで多少の着映えがするのも最後のタイミングと思い、今年から積極的に着物を着ることを決意しました。
一念発起しないと着物を着れないのは、準備と後始末にたくさんの時間が必要になるからです。
またTPOに合わせると帯と着物が釣り合わない。帯に短したすきに長しなどなど・・・気に掛かり

 ・着物と帯が合わない、寒いからコート要る、ぞうりが古い~帯揚げ・帯止め等々買い揃えたくなる
 ・買うのも経済活性化の一助になると自分に云って効かせて納得し
 ・色々買い揃えたら頻繁に着ねば勿体無い
 ・頻繁に着るなら着付けを習おう。では着つけ教室も探さねばならない
 ・正式な集いにはプロに着付けてもらわねばと 美容院・着付けの予約をして
 ・移動は電車を乗り換えてでは困難だからタクシーを利用して
等々の難関を乗り越えて年末年始の1ヶ月で4回、着物でお出掛けとなりました。

「馬子にも衣装」 で着物が人物を引き立ててくれました。
鏡を見ても気持ちが高揚し顔色が良くなるのが自分でも見て取れました。
周囲からおせいじと照れも含めて 「綺麗な着物だね」 などと言われたりすると
「ぶたも煽てりゃ木に上る」 状態となり 嬉しい気持ちになったのは稀有な体験でした。 
着物を着ると 「周りが歓んでくれるから」 と仕事を早々に切上げて、いそいそとお仕度へ。
そんな時間と、少し自由になるお金と、心の余裕を持たせてくれる周囲に感謝をしつつ いざ出発 ‼

10年ほど前から新内という日本の伝統芸能を習い、年2回発表会には、着物を着て出演してました。
出かけるとき母に 「行ってきます」 と声を掛けると、着物姿を見て 「きれいだね~似合うよ」と言って
ベットから嬉しそうに 「はいお祝いだよ」 と沢山の祝儀をわたしてくれていました。

その笑顔を思い出していると 仏壇から 「きれいだね~」 と母の声が聞こえて来るようでした。